伝説のグルメ漫画「美味しんぼ」見どころ登場人物紹介

「美味しんぼ」とは

「美味しんぼ」(おいしんぼ)という伝説のグルメ漫画を知っていますか。

「美味しんぼ」とは、原作・雁屋哲さん、作画・花咲アキラさんによる日本のグルメ漫画です。小学館「ビッグコミックスピリッツ」にて1983年より連載を開始、単行本は111巻まで刊行され、累計発行部数は1億3500万部(2020年10月時点)を突破しています。

また、テレビアニメ化や実写ドラマ化、実写映画化もされているので「美味しんぼ」の名前だけでも知っている人も多いと思います。英語版の漫画も販売されています。

「美味しんぼ」は世界でも大人気の作品だね

ここでは、テレビアニメ版「美味しんぼ」について紹介します。

ネタバレを含みますのでご了承の上お読みください。

テレビアニメ「美味しんぼ」

「美味しんぼ」は1988年から1992年までテレビアニメ化され放送されていました。

テレビアニメでは全136話、スペシャル版が2話放送。原作の初期(1巻から34巻まで)が描かれています。

美味しんぼアニメ公式YouTubeもあり、無料で視聴できる回もあります。

公式版が無料で見られるって嬉しいね

テレビアニメ版は、ほぼ原作に準じた内容ではありますが、時代の変化に合わせて変更されているところもあります。原作よりもセリフが抑えられた表現になっていたり、未登場のままのキャラクターがいたり、結末も少し変更されています。
また、テレビアニメ版では、山岡に打ちのめされた料理人のほとんどが改心する内容になっています。

あらすじ紹介

「美味しんぼ」のあらすじを簡単に説明すると…

主人公・山岡士郎と新人記者・栗田ゆう子、東西新聞文化部の二人の新聞記者が「究極のメニュー」を作る企画をきっかけに、周囲の人々の問題・悩みを料理を交えつつ解決に導いていく物語です。

 

というのが一般的な説明ではありますが、

個人的には「美味しんぼ」は山岡士郎と海原雄山の「壮大で傍迷惑な親子喧嘩」です。

親子喧嘩って…

この親子は事あるごとに周りを巻き込み(山岡や雄山が巻き込まれる事もありますが)どちらがより優れているか、美味しいものを知っているか、また作れるか、といつも対決ばかりしています。

ちなみに雨の描写があると山岡が負けます。(例外もありますが)

 

主な登場人物紹介

「美味しんぼ」は、この傍迷惑な親子を筆頭に個性豊かな(豊かすぎる)キャラクター達が多数登場します。

ここからは、キャラクター別の印象的な場面も併せて紹介していきます。

山岡士郎

この物語の主人公で、東西新聞社文化部の記者。

仕事をしている様子は見られず、いつも居眠りばかり。起きている時は競馬新聞とにらめっこ。腹時計が正確で、昼休みになると一目散に姿を消します。時々、食材を調達するため無断欠勤する日もある問題児です。

こんな男がなぜクビにならないのかと疑問なのですが、知れば知るほど意外なところで活躍しています。

山岡の人脈は幅広く、普段の姿からは見当もつかないのですが、大企業の社長や会長などとも知り合いだったりします。そういったお偉いさん方の悩みを相談され(というより業務命令の時も多々ありますが)無事解決できているのも山岡のおかげです。

権力にこびず、話の筋を通す山岡は、社長や会長などにとても可愛がられています。そう考えると会社にもかなり貢献しているのかなと思います。

父親は海原雄山。母親の死をきっかけに父親と決裂し実家を飛びだします。それからは母親の姓「山岡」を名乗っています。

雄山の食の英才教育のおかげで、幼い頃から本物の味ばかり食べてきました。味覚が物凄く優れています。また、お金持ちのお坊ちゃまなので、昔からの知り合いの中には「士郎坊ちゃま」と呼ぶ人もいるほどです。

唐山陶人にも孫のように可愛がられおり、山岡自身も慕っています。

鈍感であり一見とぼけている様に見えるのですが、本質を捉えた発言とアイデアで数々の問題を解決に導く男、それが山岡士郎だと思います。

海原雄山

山岡士郎の父親。モデルは北大路魯山人。作中では、雄山の師である人間国宝・唐山陶人が北大路魯山人の弟子という設定となっています。

絵皿が高値で売られていたり、海外で個展と開いたり出来るほどの有名な陶芸家であり、他にも書道、絵画、文筆にも秀でた芸術家です。

食も芸術であると考え、会員制料亭「美食倶楽部」を主宰する美食家でもあります。

いつも態度が大きく、命令口調で威圧的で妥協を許さない性格な雄山。料理が気に入らないと一口しか食べなかったり(一口も食べないことも)、接待の途中で文句をつけて帰ったりすることも多いです。

「これを作ったのは誰だ!!」と美食倶楽部の厨房に怒鳴り込んでくることも珍しくありません。

一体何様なんだという言動ですが、雄山の言っていることはほぼほぼ正しいことばかりです。その料理を作った人や、接待する側が味を分かっていないので、言葉は悪いですが文句を言われるのも当然です。

このように厳しい言葉ばかり言う雄山ですが、その胸の内には優しさが隠されています。

雄山に面と向かって意見できる人間は、息子の士郎と雄山の師である唐山陶人くらいでしょうか。

ただ、部下の中川には弱いです。雄山が中川の実力を認めているので、なんだかんだ文句を付けながらも中川の言うことには従います。この時の中川とのやり取り、中川が口を閉じて目だけで語る「んっ。」と有無を言わせぬ表情。一歩も引かない中川。

普段あんなに強気な雄山が、中川の無言の圧力に負ける雄山の姿は見ていて面白いです。

特に印象的なのは第32話「ハンバーガーの要素」なのですが、それはまた後日書きたいなと考えています。

士郎の勤務する東西新聞社の「究極のメニュー」に対し、帝都新聞の「至高のメニュー」のアドバイザーを引き受けます。物語の中でも「究極のメニューVS至高のメニュー」という内容が多々登場しますが、これらの話はまさに「士郎VS雄山」であり、やはりこの物語は親子喧嘩なのだと思います。

栗田ゆう子

東西新聞社の新人記者。賢い。この子はとにかく賢いです。そして礼儀正しく優秀でもあります。山岡には及ばないですが、自称食通を語る人達よりははるかに優れた味覚の持ち主です。

入社早々、文化部全員が受けた味覚テストに合格。大原社主、肝いりの企画「究極のメニュー」作りの担当に山岡と共に選ばれます。究極のメニュー作りとは言いながらも、実際は山岡に振り回される日々を送る羽目になるのですが…。

アニメではナレーション役も担当しています。

中川得夫

「美食倶楽部」の調理場主任を任される料理人。あの雄山が認め、信頼しているほどの腕前です。

雄山が美食俱楽部でのムチなら、中川はアメといったところでしょうか。面倒見がよく、美食俱楽部で働く人々の中川に対する信頼はかなり厚いです。

お人よしな性格で、ことあるごとに士郎と雄山との間で板挟みにされ苦労が絶えません。

唐山陶人

人間国宝の陶芸家。アニメ版では「とうやま とうじん」と読みます。(ドラマ版では「からやま」だったようです)

「究極のメニューVS至高のメニュー」の審査員の一人。

北大路魯山人の弟子で、雄山の師匠。雄山も頭が上がらない唯一の人物、と言われていますが、おだてに乗せられやすい性格なので雄山に丸め込まれてしまうこともあります。

東西新聞社のメンバー

谷村秀夫

文化部長。山岡の良き理解者の一人です。

ろくに仕事をしない山岡に対しても、圧力をかけない唯一の上司です。

文化部の中では静かなイメージの谷村部長ですが、山岡のあまりにも無礼な態度には声を荒げるなど感情的になることもあります。

温和で信頼が厚い人物であるが故に、何か問題が発生した際には上司と部下に挟まれ、いつも気苦労が絶えません。

富井清一(アニメ版では清一)

文化部副部長。出っ歯が特徴です。上司にゴマをすり、部下をいびるなど、ダメ上司の典型ですね。

窮地に陥ったり、感情が高ぶったりするとすぐに泣くなど、山岡と同様に中々の問題児である富井副部長ですが、どこか憎めないキャラクターでもあります。

幼少期は貧しく、意外と苦労人だったそうです。自分勝手な性格に描かれてはいますが、感情をストレートに表現し、愛情が深いと感じる面もあります。

よほど不味くなければ何を食べても「うまい」と言う味音痴です。

大原大蔵

東西新聞社代表取締役社主。大原社主と呼ばれています。

器の大きい人物かと思いきや、かなりの頑固者で公私混同するパワハラ上司です。ただ、社主として役員や社員からの信頼は厚く、人望があります。

美食俱楽部の会員だったこともあるのですが、雄山とひと悶着あり、会員を除名されてしまいました。

※社主(意味・会社も持ち主や代表者の呼称。主に新聞社で使用される肩書き。社長や会長と似たような意味で使われます。英語ではオーナー)

 

田畑絹江

山岡と栗田ゆう子の先輩。

容姿も性格も地味な彼女ですが、大抵のことには物怖じせず強気に行動します。反対に、自分自身のことになると小心者になってしまう一面も。山岡たちの良き先輩といった感じですね。

花村典子

山岡と栗田ゆう子の先輩。美人で「文化部の花」と呼ばれていたことも。

栗田ゆう子・田畑絹江・花村典子の3人は「文化部、花の3人組」と呼ばれているそうです。仕事のみならず、休日にもよく一緒に行動しており、荷物持ちとして山岡も連れて山登りに出掛けるというエピソードもあります。

京極万太郎

京都弁が特徴の商売人で大富豪。美食倶楽部の会員で、「究極のメニューVS至高のメニュー」の審査員の一人でもあります。

米を一口食べただけで品種と産地を当てる鋭い味覚の持ち主、にも関わらず「究極VS至高」の戦いでは味音痴役を押し付けられる、なんてことも・・。

板山秀司

銀座に開店した百貨店「ニュー・ギンザ・デパート」の社長。日本有数の企業「栄商流通グループ」の総帥でもあります。裸一貫で現在までの地位に上り詰めた、実は凄い人。

第3話「野菜の鮮度」で初登場しました。初めは山岡と対立していましたが、野菜の本当の鮮度を山岡に教えられてからは山岡たちのよき支援者となります。

支援者といえば聞こえはいいのですが、実際はその豊富な人脈を利用され、山岡の都合で度々引っ張り出される準レギュラーのようになります。第7話「炭火の魔力」(うなぎの回)では板山社長の地位を利用しなければ話が成り立たなかったといっても過言ではありません。

辰さん

銀座界隈に住むホームレスですが、一般的なホームレスとは異なります。

銀座界隈の飲食店から出る残り物(廃棄する弁当、料理など)の引き受けを通して、店の裏事情にとても詳しく、山岡たちの良き支援者の一人です。

第8話「接待の妙」では辰さんのおかげで問題が解決しました。

山岡に「岡星」を紹介した人物でもあります。

岡星精一

銀座の和食料理屋「岡星」の主人。真面目な性格。辰さんの紹介で山岡と知り合いました。

山岡が料理研究をする場として、この「岡星」が度々登場します。

第88話「おせちと花嫁」では、おせちの黒豆を作ることになり、実際に岡星の主人が何日も黒豆を煮込む(山岡たちは出来上がりを確認にくるだけ)という話があります。途中に山岡たちも手伝いに来ているのかは不明ですが、いいように使われている感じがどうも否めないですね・・。

弟の良三も料理の道に進み、美食俱楽部で働いています。

岡星良三

岡星精一の弟。美食倶楽部の料理人。

第66話「椀方試験」では良三が椀方(汁物担当)への昇格試験として、お題のしじみのお吸い物と同じものを作れと課題を出されます。山岡の助けもありなんとか合格はしますが、素人目にはそんな無茶苦茶な試験ありかよと思うのが正直なところです。

食へのこだわりをひたすら追及するところも「美味しんぼ」の魅力と言えるけどね

個人的には坊主頭の野球少年のイメージが強く、何歳なのか気になります。見た目は高校生でもおかしくないのですが、成人しているようです。

第22話「板前の条件」では緊張をほぐす為にタバコを吸う描写があったのですが、(雄山に怒られて止めました)その後、物語が進んでいくと雄山に腕を認められ椀方を任されるまで成長します。それにしても、よくタバコを止められたものです。

中松警部

山岡の友人の一人。強面なので警察官というよりむしろ警察にお世話になるタイプの人間に見えます。見た目はあれですが、中身は人情に厚く、交友関係が幅広い人物です。

第32話「ハンバーガーの要素」でも登場し、山岡達を手伝うことも。

剣道の達人でもあります。

快楽亭ブラック

本名はヘンリー・ジェームス・ブラック。アメリカ人。落語家です。

一体どこで日本語を習ったのか、と山岡も呆れるほど変わった言葉遣いで話し、一人称は拙(せつ)。非常によくしゃべります。

第42話「大豆とにがり」で初登場。もともとは豆腐料理の研究の為に来日しました。

ブラックが登場するエピソードといえば、第47話「黄身と白身」(目玉焼きの回)や、第102話「丼(どんぶり)VSのり巻き」が挙げられます。正直馬鹿げている話なのですが、日本人が普段そこまで考えたことがない話なので、意外と深いような、そうでもないような。

いかにも外国人が話しそうな日本語ですが、噺家であるあたり本当は流暢な日本語が話せるのではないかと疑問が残ります。

まとめ

他にも個性豊かなキャラクターが多数登場し、壮大な親子喧嘩が繰り広げられる「美味しんぼ」

ここではアニメ「美味しんぼ」のあらすじや見どころ、主な登場人物を紹介しました。

私が好きな「美味しんぼ」の魅力が少しでも伝われば幸いです。

最後まで読んで頂きありがとうございました。

 

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